台湾でローカルフードを楽しみたいなら外せないものがあります。それが「台湾式おでん」と呼ばれる滷味(Luwei)です。夜市の屋台料理と思われがちですが、実は麺屋との深い関係があります。今回はその正体を、高雄の実店舗で確かめてみました。

滷味(Luwei)とは?台湾式おでんと呼ばれる理由
滷味の「滷」とは、煮込んで味を染み込ませる調理法のことです。出汁には八角、ウイキョウ、クローブ、シナモン、花椒といった香辛料を使います。肉、練り物、野菜、麺などの具材を、この出汁で煮込んだ料理です。お店によって配合が異なります。醤油ベースの出汁に糖類や酒類を加えるお店もあります。そうした違いから、それぞれの店の個性が生まれる仕組みです。
練り物、肉類、モツ、厚揚げなどの豆腐類、卵、昆布…。並んだ食材を見ると、まさに日本のおでんそのものです。そのため日本人旅行者からは「台湾式おでん」という呼び方でも親しまれています。ただし厳密には少し違います。日本のおでんに近いのは「關東煮(黑輪)」と呼ばれる屋台料理です。滷味とおでんは、あくまで似た系統の煮込み料理という位置づけです。台湾の夜市や街角でよく見かける、人気の高い屋台料理です。台湾をはじめ、中華圏各地で親しまれている料理の1つとして知られています。詳しい歴史はWikipedia「滷味」にもまとめられています。
夜市では、一口サイズに切った食材をビニール袋に入れてくれます。竹串と一緒に渡してくれるお店も多いです。食べ歩きしている人を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

台湾式おでん「滷味」は麺屋の蕎麦前だった件
台湾の麺屋さんの多くは、店先に滷味を置いています。そして興味深いのは、お客さんの多くが麺だけでなく滷味も一緒に注文することです。
なぜかと考えてみると、理由は提供スピードにありました。滷味は切って温めて盛り付けるだけなので、他の料理より圧倒的に早く出てきます。実際に店内を見ていると、みなさん先に届いた滷味をつまんでいました。そうしながら、麺の到着を待つ様子が見られました。
つまり、滷味は麺が来るまでの時間を楽しむためにセットで頼むもの。そう考えると、ふと日本の「蕎麦前」を思い出しました。台湾の麺屋でお酒を出す店はほとんどないため、蕎麦前とは性質が異なります。しかし、麺を待つ間にみんなでワイワイつまむ光景がありました。それはまさに蕎麦前の感覚に近いものです。台湾の餃子屋でも滷味を取り扱っている店が多いです。餃子が出てくるのを待つ間に、滷味をつまんでいるお客さんをよく見かけます。今回訪れた麺屋でも、実際に多くのお客さんを見かけました。麺料理を待つ間に、滷味をつまんでいる様子です。麺屋でも同じような文化が根付いているのかもしれません。これが今回の実食を通じた筆者の見立てです。
金湯麵食館 左營華夏店で実食レポート
今回訪れたのは、夜市ではありません。金湯麵食館 左營華夏店です。以前、高雄 牛肉麵の名店|金湯麵食館で人気5品を実食レポートでご紹介しました。店先には滷味がずらりと並びます。店内で食べる「内用(ネイヨン)」も、持ち帰りの「外帯(ワイタイ)」も選べます。今回は外帯にしてみました。
注文方法|好きな具材を自分で選ぶスタイル
注文方法はシンプルです。まず重ねられたお皿とトングを取り、並んでいる好きな食材を自由に取っていきます。取り終わったらカウンターに渡し、テーブル番号を伝えるだけです。
カットして温め直したものにタレをかけて、席まで持ってきてくれます。会計は食後にまとめて。麺や他の料理と合算して支払う仕組みです。

“滷”とは、鶏やアヒルなどに香料を加えた塩水や醤油で煮込むことを指します。それで作った料理が「滷味」というわけです。と説明されることもありますが、店ごとに味付けの幅は広いです。このお店は醤油ベースのやさしい味わいでした。
選んだ具材と値段|150元で楽しむ台湾式おでん
今回選んだのは、油揚げ、湯葉、ゆで卵、昆布の4品。合計で150元ほどでした。香辛料の香りはそこまで強くありません。初めて滷味を食べる方でも挑戦しやすい味付けです。
家飲みのおつまみにもぴったりのボリュームでした。お店ごとに香辛料の配合や甘さが異なります。食べ比べて、お気に入りの一軒を見つけるのも楽しみ方の一つです。

台湾の麺屋文化と滷味の関係
滷味を置いている麺屋は、金湯麵食館だけではありません。以前の記事、阿邊麵食|高雄の個性派麺屋で本格台湾乾麺を堪能でも扱っていました。麺を待つ間の楽しみとして、滷味は台湾の食堂に自然に組み込まれているようです。
こうしたローカルな食文化は、住んでみるとより身近に感じられるものです。高雄・楠梓区での暮らしは【高雄 楠梓区 生活】日本人にほぼ会わない街で暮らす私のリアルで紹介しています。旅行者と生活者、それぞれの視点で台湾グルメを楽しんでみてください。

まとめ|台湾式おでんは麺屋で味わうのがおすすめ
台湾式おでんと呼ばれる滷味は、夜市の屋台だけでなく麺屋でも気軽に楽しめます。麺の到着を待つ間につまむ習慣は、日本の蕎麦前にも通じる楽しさがありました。
次回台湾を訪れる際は、麺屋で滷味をセットで注文してみてください。店ごとの香辛料の違いを食べ比べるのも新しい楽しみ方です。
アクセス・地図
住所:813高雄市左營區華夏路1201-2號
最寄り駅:左營(Zuoying)
営業時間:10:30〜22:00
定休日:なし
電話番号:07-310-7469

